私が御殿場線を訪問したのは昭和54年の春だった。
当時御殿場線の普通列車は、主に沼津機関区の72・73系電車で運用されていた。
御殿場線は元々は東海道線の一部だったが、丹那トンネル開通により幹線としての役目を終えていた。
戦時中には鉄材供出のために複線だった線路も一部ははがされてしまい、使われなくなったトンネルがぽっかりと口を開けている箇所があった。
昭和43年にようやく電化されて、首都圏で余剰となっていた72・73系電車が転属・配置された。
車体塗色はスカ色に変更、サハ78にはトイレの取付改造がされた。
(電化時にクモハ60も配置されたが、後に身延線に転出した。)
富士山のふもとの風光明媚な景色の中を釣りかけの音を高らかに響かせていた72・73系だったが、昭和54年10月にその役目を終えて御殿場線を去って行った。
形式 | 車号 | 備考 |
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クモハ73 | 024 028 030 033 035 037 043 064 068 088 106 114 170 359 900 902 | |
モハ72 | 142 145 148 920 924 941 | |
クハ79 | 301 309 389 425 937 939 | |
サハ78 | 023(元サロハ66015) 030(元サロ45009)106 113 | |
111 119 120 400 401 451 542 453 454 455 | トイレ付 |