蒲原鉄道加茂~村松間が廃止になったのは昭和60年3月の事だった。
加茂~村松間が廃止になる前は、蒲原鉄道には撮影のためによく訪れていた。
蒲原鉄道に携わる人々、そこで活躍していた個性的な車両など魅力の多い鉄道だった。
沿線風景も蒲原鉄道の魅力の一つだった。
加茂~村松間が廃止となった後も村松~五泉間は存続していたが、景色の良かった区間が廃止となってしまった。
そのためつい足が遠のいてしまっていた。
加茂~村松間が廃止となってから1年9ヶ月が過ぎた頃、蒲原鉄道を訪れる機会を得た。
記憶を手繰りながら、廃線跡を辿ってみた。
廃線跡は西村松駅から村松市街の外周をなぞるように村松駅まで続いていた。
訪問時は既に一部が道路に転用されていて、廃線跡がどこだったか判別が難しい場所もあった。
この時は村松駅はまだ現役だった。
加茂~村松間が廃止になった後も、蒲原鉄道は村松~五泉間が残っていた。
この区間はほとんどの区間が県道に沿って敷設されていた。
沿線は凡庸な郊外の風景であり、余り魅力を感じられなかった。
旅客需要は多そうで、朝夕は3両編成の列車が運転されることもあった。
そのため地元の足として存続するものと思っていた。
しかし経営は厳しかったらしく、残っていた村松~五泉間も平成11年に廃止となった。